2026/10/06

もうすぐ94歳の生徒さんから

 秋の七草は、

萩(はぎ)・尾花(おばな/すすき)・葛(くず)・撫子(なでしこ)・女郎花(おみなえし)・藤袴(ふじばかま)・桔梗(ききょう)

の七つです。

春の七草は「食べる七草」ですが、秋の七草は、野に咲く花を眺めながら季節の移ろいを楽しむもの。山上憶良が『万葉集』に詠んだ歌がもとになったとされています。



もうすぐ94歳になられる生徒さん。

いつもレッスンにいらっしゃる時、

ちょっとしたお土産を持ってきて

くださいます。


今回は、とっても美味しそうな

「クイーンルージュ」という葡萄を

いただきました。


そして葡萄と一緒に、こんな紙が

そっと添えられていました。


「秋の七草」

彼女のお姉様が書いてくださったものです。

彼女も負けないくらいの達筆です。

こういうことを、いつも本当にさりげなくされるんですよね。

なんというか、とても雅。


でも決して気取っているわけでもなく、

わざとらしくもなく、ごくごく自然なんです。


季節のお花を楽しんだり、昔からの歌を

覚えていたり、それをさらっと紙に書いて

葡萄に添えてくださったり。





実は、春の七草の紙も秋の七草と一緒にいただきました。



春の七草は、

せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろ

です。

漢字では、芹・薺・御形・繁縷・仏の座・菘・蘿蔔。

「すずな」はかぶ、「すずしろ」は大根のことです。

春の七草は、1月7日に七草粥にしていただき、一年の無病息災を願うもの。


一方、秋の七草は食べるものではなく、

花を眺めて季節を愛でるもの——

日本に生まれて良かったなぁと思います。



素敵だなぁと思います。


そしてこの方とお話ししていると、

なんだかずっと昔から知っているような、

不思議な懐かしさを感じることがあります。


年齢はずいぶん離れているのに、

時には親友とおしゃべりしているような。


先生と生徒ということを忘れてしまう

くらい、自然にお話ができるんです。


こういうご縁って不思議ですね。


もうすぐ94歳になられて、今もレッスンに

通って音楽を楽しんでいらっしゃいますが、

人生ではもちろん大先輩。


私のほうが教えていただくことも

たくさんあります。


私もこんなふうに、品よく、

でも気取らず、季節を楽しみながら

歳を重ねていけたらいいなぁ。


美味しい葡萄と一緒に、今回もまた、

とても素敵なものをいただいたような

気がしました。






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実家の裏庭のコスモスが満開です。

母の3回忌と父の7回忌を一緒にやりました。

たくさんの親戚が集まって、かれこれ20人弱

でなごやかな1日を過ごしました。






3歳から93歳までの生徒さんが楽しく習われています。

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2026/10/04

「優秀賞しか取れませんでした…」

夏休み、最終には、はるちゃんがお顔見せてくれました。夏休みにはたくさんの大学生の皆さんがレッスンに来てくれました。皆さん、立派になられて本当にうれしい。

先日、出張先でとても心に残ることが

ありました。


まだ幼稚園くらいの小さなお子さん。


ピアノがとても上手で、ソロはもちろん、

歌の公式演奏者の伴奏も美しく、

さらにご自身の歌までとても素敵でした。

演奏後に質問にお答えする時間がありました。

お母様から、

「この子は将来、ピアノの審査員になりたい

と言っています。どうしたらなれますか?」


という質問がありました。


ところが、その後のお話がとても

心に残りました。


「コンペティションでは、

本選で優秀賞しか取れませんでした」と。


「この子をとても高く評価してくださった

先生もいて、そのコメントに救われました」


とお話しされ、最後には涙声になって

いらっしゃいました。


私は心の中で、


「こんなちっぽけなことでジタバタするんじゃないよ」


と、つぶやいてしまいました。


もちろん口には出しませんが。

でも、本当にそう思ったのです。

まだ小さいです。

もしかしたら、お母様ご自身には

ピアノを長く学ばれた経験がないの

かもしれません。


ピアノを長く勉強してきた方なら、

よくわかっていると思います。


ピアノは10年、15年かかって当たり前。


音を作り、耳を育て、いろいろな感情を

知り、それが少しずつ自分の音楽に

なっていく。


そんなに簡単に出来上がるものでは

ありません。


もちろん私は、コンクールを否定して

いるわけではありません。


金賞を目指して一生懸命努力することも、

全国で一番になることも、

本当に素晴らしいことです。


でも、それだけが音楽ではありません。


結果ばかりを求めてしまうと、

「間違えてはいけない」

「いい点を取らなくてはいけない」と

いうことに心を奪われ、

その子らしい自由な音楽が小さく

なってしまうこともあります。


私はそれが一番残念です。

嬉しい、悲しい、切ない、楽しい。

そんな心を、自分の音で自由に表現する。


その子にしかない音楽を育てることの方が、

ずっと大切だと思っています。


一回のコンクールの結果なんて、10年、

15年と続く音楽人生から見たら、

ほんの一場面。


優秀賞だった。

素晴らしいじゃないですか。

なかなか取れるものではありません。


今すぐ結果を求めなくてもいい。


急がなくてもいい。


子どもが育つ時間を信じて、待ってあげる。


そして10年後、15年後にも、


「音楽が大好き」


と言ってくれていたら。


私は、それが何より素晴らしいことだと

思っています。


そして最近、少し心配に思うことが

あります。


今のお母様方は、本当に一生懸命です。


子どものことを思い、練習にもコンクール

にも一生懸命関わっていらっしゃる。


でも、一生懸命だからこそ、すぐに結果が

出ないと落ち込んだり、一回の結果に

一喜一憂したり、時には「ここではダメ」と

早々に見切りをつけてしまったり。


そんな姿を目にすることが増えたように

感じます。


子どものために一生懸命になることと、

子どもに関わりすぎることは、

もしかしたら紙一重なのかもしれません。


良かれと思って手をかけ、先回りして、

結果を求める。


でも、それが知らず知らずのうちに、

子ども自身が考えたり、悩んだり、

失敗したりしながら育っていく時間を

奪ってはいないでしょうか。


そして何より、音楽を大好きだったはずの

子どもを、結果で追い詰めてしまっては

いないでしょうか。


私はそれが、とても心配です。


子どもを信じて、待つ。


簡単なようで、きっとこれが一番難しい。


でも音楽も子育ても、すぐに答えが出ない

からこそ、長い目で見守ってあげたいなと

思うのです。


3歳から高校3年生まで、そして大学生に

なっても、大人になってもピアノを

続けている門下生の皆さん。


改めて、なんてすごいことなんだろうと

思います。


心からピアノを楽しみ、聴く人の心に

染みるピアノを弾いている皆さん。


長く続けてくれて、本当にありがとう。


そんな皆さんの成長をずっと見守らせて

もらえることに、


心から感謝しています。



お庭の金木犀の香りの素晴らしいこと。

加えて、今年も秀明菊が満開です。









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